アル・パチーノがアカデミー主演男優賞を受賞した高潔な精神と正義を描いた感動作
人が正しく生きることの素晴らしさ
この映画のストーリーはとてもシンプルで、派手な展開や衝撃的なシーンもありません。
しかし、視力を失った退役軍人の苦しみと、学校でのトラブルに巻き込まれ人生の選択に悩む青年との交流を描いた素晴らしい作品です。
盲目となり人生に悲観し、他人に心を開くことができなくなってしまった元軍人が、高潔に生きようとする青年によって人生の希望を見出していきます。
その青年とは対照的に、学校の校長は自身の見栄のために青年を脅し、学校の同級生は自身の保身のため友人を裏切ります。
これは日本でもよく報道されるいじめの問題を同じで、学校はいじめを隠蔽しようとしたり、同級生も自分がいじめられないように行動してしまいます。
損得を超えて正しく生きようとすることは簡単ではありませんが、本当に素晴らしいということを教えてくれます。
アカデミー主演男優賞を受賞したアル・パチーノの名演
ストーリーはシンプルなのですが、アル・パチーノの名演技が盲目の退役軍人という難しい役を見事に演じています。
目が見えないように振る舞う動きだけでなく、傲慢な態度のなかに見せる優しさや自虐的な発言で、内面の苦しみをさりげなく表現してます。
苦しみを受け入れ、希望を持ってからの変化も自然な演技で観ている人の感情に伝わってきます。
正義を貫く勇気
青年は校長の脅しに屈せず、自身の正義を貫いたため不利な状況に陥ってしまいます。
自分が損をすることになっても良心と高潔な精神に従って行動する姿は、古き良きアメリカの精神性を描いています。
その正義を周囲の人を動かし最後は正しいものを皆が応援する様子は、普遍的な感動となり気持ちをが高揚します。
まとめ
2時間半以上の長い映画ですが、アル・パチーノの名演技で全く退屈することがなく時間を忘れて見入ってしまいました。
普遍的な人間の尊厳と正義がテーマで目新しさがありませんが、当たり前の正義が忘れられている現代には本当に気持ちを動かされる映画です。