「ふんわり鏡月」CMへの批判は妥当か?
視聴者からの批判
サントリー「ふんわり鏡月」で女優の石原さとみが出演するCMに、視聴者からの批判があるようです。
彼女が(性別は分からないが男性を想像させる)上司と居酒屋で、お酒を作りながら語りかけるというCMが「不倫を連想させる」と「女性を軽視している」と批判されています。
批判が多くなれば放送中止になる可能性もあるようですが、この問題について考えてみました。
CMの購買層の想定
この「ふんわり鏡月」は30代以上のサラリーマンを購買層として想定していて、その年代に人気のある女優の石原さとみを起用しています。
部下である彼女と一緒にお酒を飲むという親密な関係という設定が、中年男性の購買意欲を刺激することを狙っているのでしょう。
CMを観るかぎりでは、特に違和感を感じるものではないように感じるのではないでしょうか?
軽率なマスメディア
女性の視点から見ると、「女性にお酒を作らせている」ことや「上司と親密な関係でお酒を飲む」ことが女性軽視や不適切な関係を想起させる場合もあるようです。
これは少し過剰反応とも思える批判ですが、CM制作者の経験から事前の配慮をすることも可能だったとも思えます。
信念を持ってつくられたCMなら批判を浴びても放送し続けるべきですが、放送中止を検討するくらいならCM制作の段階で配慮をすべきでしょう。
厳しい視聴者の目
以前はテレビの規制もあまり厳しくない時代があり、その時代の感覚で番組やCMを制作する人がまだいるようです。
しかし、現在はネットの普及により問題発言や画像は拡散されてしまうと、スポンサー企業などのイメージダウンにつながります。
また、国際化が進んでいるため人種や文化によって表現の受け止め方が多様化しています。
テレビの放送は厳しい視聴者の目に晒されていて、放送する側の立場では多様な視聴者に配慮する必要があります。
まとめ
このCMへの批判は過剰反応ともいえますが、テレビ局側も配慮が不十分だったともいえます。
本来議論されるべき「報道の自由」は、こういった問題ではなく社会的な正義を守るために行使することがマスメディアの責任です。
インターネットの変化の激しさに対して、テレビ局は保守的で時代の変化に対応できていないことが指摘されています。
こういった問題が何度も発生することがないよう、テレビ局も本質的な変革が必要でしょう。