大学の授業料は妥当なのか?
奨学金返済に苦しむ若者
大学を卒業してから奨学金返済で生活が苦しいと感じている人が増えていることが、話題になっています。
比較的に低金利ではありますが、大学卒業後の数年間は低収入であるため返済が大きな負担になっています。
返済義務の免責を主張している人もいますが、現実的には下記の記事のように企業が返済を一部負担することで支援を行うケースもあります。
しかし、多くの場合は負担に感じながらも自力で返済するしか方法がないようです。
大学で学ぶことの意味
この問題を解決策として、大学授業料の無償化または値下げを主張している人もいます。
しかし、奨学金問題を議論するには大学に行くことの意味を考え直さなければいけないでしょう。
大学で学ぶ意欲がある学生に対して、学習する機会を与えることは非常に意味のあることですが、特に目的もなく就職までのモラトリアムとして大学に行く人も少なくありません。
そういった目的のために奨学金を使い、そうしないと就職できないという仕組み自体に問題があるともいえます。
新しい体制の大学教育
奨学金制度の改定や大学の無償化といったことは、財源や行政に方針に負うところが大きく、当面は現実的な解決策ではないでしょう。
しかし、現実的に実現可能な方法も考えてみましたので紹介します。
やはり、大学の授業料は安くする方向性が現在の日本には適していると思います。
大学進学率は上昇する一方で就職後の収入も低いことを考えると、若者に多大な借金を負わせることは避けるべきでしょう。
授業料を安くするためには、従来の大学の体制を変えなくてはいけません。
オンラインなどでの講義による講師の人件費削減、不要な敷地の売却や貸付、企業との連携による収入増加などの施策を促進することで、授業料を引き下げることをすべきでしょう。
将来的には問題の本質的改革を
この問題の本質は、企業による「新卒一括採用」の仕組みにあるのでしょう。
本来、大学は学びたいことがあれば何歳になっても入学すればよいのです。
しかし、「新卒一括採用」があるので学ぶ目的がなくても高校卒業後の数年のうちに大学に通うことが就職するために必要になっています。
そのため、経済力のない人は奨学金を利用してでも大学に進学するという考え方が一般的になっています。
現実的に「新卒一括採用」の仕組みをすぐに変えることは難しいのですが、将来的にはこの仕組みを改革する必要があると思います。
まとめ
学生は本来学ぶことを目的とし大学は価値のある授業の提供することで、奨学金が価値を持つことになります。
しかし現実的には大学の体制は、企業による就職の仕組みに組み込まれてしまっています。
この弊害が大学や企業の様々な問題の一因となっており、この仕組みの改革を促進していく方向に日本がすすむことを願います。