マンガ業界の過酷な現実に挑む佐藤秀峰
マンガ業界の実態
日本のマンガは世界的にも人気があり、最近では老若男女問わずマンガを楽しむ文化ができています。
しかし、実際のマンガ家や出版社の人がマンガを私たちに届けるまでのことはあまり知られていません。
そして、その実態は過酷で厳しい環境で働いているマンガ家が多く、ごく一部の成功した人以外は理不尽な動労条件で働いていることがこの本に記されています。
業界の光と闇
週刊連載するようなマンガ家は、高収入で豊かな生活をしているようなイメージがありましたが、現実は全く違うようです。
仕事場も家賃や光熱費、スタッフの食事や給料などの経費が大きい割に、原稿料は低く抑えられていて、単行本が売れないと赤字になる場合もあるそうです。
出版社も古い習慣が多く、不利な労働条件でマンガ家は働かなくてはならないようです。
新しい仕組みへの挑戦
筆者である佐藤秀峰氏は「海猿」や「ブラックジャックによろしく」などのヒット作を持つ有名なマンガ家ですが、この出版業界の仕組みで苦労をしてきました。
不利な印税率、無断の二次使用契約、セリフの修正などが編集部によって行われ、そういった待遇を改善しようと努力しました。
その結果、編集者に軽く扱われたり掲載停止となったりしました。
それでも、諦めずオンラインで漫画を販売する仕組みを作り現在も運営しています。
まとめ
今まであまり語られることのなかったマンガ業界の裏側と問題が、わかりやすく説明されています。
そして、筆者のマンガに対する愛情とマンガ業界の改善にかける情熱が伝わってきます。
現在の日本はあらゆる業界で似たような問題を抱えていますが、彼のような情熱を持つ人が増えることで少しずつ問題も解決されていくのではないのでしょうか。